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斉藤太一です
第15章 近づく距離・遠ざける君

僕は

2人を
待たせて
店を片付け


シャッターを閉めた




「お待たせ」



休憩室を
覗くと


しずくが
楽しそうに
絵を描いていた




「ごめんね、待たせちゃって」




「ううん

しずくココが
気に入ったみたいで
ご機嫌だったよ」




「そう?」




「うん!」




しずくは
ちょっと小さな
この部屋が
気に入ったみたいだった




「そんなに
気に入ったなら
いつでもおいで」




そう
しずくに
声をかけると

しずくは
ママの顔色を伺うように
かすみを見つめた




「斉藤さん

そんなこと言ったら
しずく
本当に来ちゃうから・・」




「本気で
言ってるんだよ?

僕は
ずっとココで仕事してるんだ

ちょっと
しずくの子守りが欲しい時は
ココで
遊ばせてても
かまわないよ」



しずくの描く絵を
見ながら

僕は

手紙を読んでから
ずっと思っていたことを
かすみに話した



「しずくちゃんが
居てくれた方が
僕も楽しいし


かすみも

髪を切りに行きたかったり

ちょっと
病院へ行きたかったり


たまには
ひとりになりたい時も
あるだろ?


おばぁちゃんが
都合の悪い時も
あるだろうし・・・



しずくちゃん
上手だね・・



そんな時


ココを
使っても
かまわないんだよ?」










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