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斉藤太一です
第6章 隅っこと隅っこで

だから?



だから
あの時あんなことを言ったのかい?



みんな…いっしょ…って。



やっぱりあれは

かすみのことだったのかな…



ちょっと
悲しい恋を
しているんだろうか


こんなに若くて

こんなに
未熟な君が…



いや


若いから
悲しむんだろうか



僕が

かすみくらいの時




どうだったかな…





涙で
枕を濡らす君が

とても
小さく見えて




いつも

強がっていた君が


とても
弱々しく思えて




僕は




君の手に

そっと触れてしまったんだよね






冷たそうに

見えたんだ





あの




雨の日のように





あの



包帯を手首に
巻いていた日のように




君の手が




寂しいよ…


って





叫んでるような
気がしたんだ




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