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斉藤太一です
第6章 隅っこと隅っこで
「・・かすみちゃん・・・」



そう言って


僕が

そっと
君の手を握ると



君は

ぎゅっ・・って
唇を閉じて




また




涙を流したね






その涙が

止まらなくて





その涙が

悲しくて





いつの間にか

僕は

かすみの手を
両手で
握りしめていたんだ






「・・大丈夫?




このまま・・


・・手を

握っててもいいかな・・」






目を閉じたまま

小さくうなずく
かすみが



何でも話せるくらい




頼りがいのある

男だったら

よかったのに




僕が
もっとしっかりした



大人だったら
よかったのに・・・・




ごめんね




かすみ




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