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斉藤太一です
第6章 隅っこと隅っこで

どうしたの?



一人暮らしでも・・

するつもりなの?





そうなら





僕の所へ

来ればいいのに・・・






「言ってもらったら

眠れそうなの」








「いいよ」







僕は


さっきから
気になってた

微かに触れ合っている
かすみの手を


思い切って
握りしめた







「かすみちゃん」





「・・・」





「大丈夫だよ


ちゃんと
やっていける


君は
とてもしっかりしてるじゃないか




大丈夫


何かあったら




僕がいつでも

助けるから」







そう

伝えると





かすみが



僕の手を


ぎゅ・・・・っと握り返した









「ありがとう


斉藤さん・・・おやすみなさい」







泣いてると思っていた



かすみが
きっと
泣いてると思ったんだ




だから



ゆっくり

君の方に顔を向けて




化粧を落として

幼くて

素直な君の顔を見たんだ






そうしたら

君は




目を閉じたまま

少し微笑んでいて…




とても

穏やかな顔をしていたね








それを見たら


なぜだか
分からないけど


僕の方の胸が

ぎゅっと締め付けられて

泣けてきて・・



参ったよ。






そして


君と
僕は



手をつないだまま




朝まで眠ったんだよね






君と

手をつないで
眠る

そんな夢のようなことが
起こった

あの日のことは





いまでも


忘れられないんだ










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