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斉藤太一です
第9章 あたし・・・帰るね

かすみの
言ってる意味が

僕には
全くわからなかった




このままだと

部屋が・・・

真っ暗になっちゃうじゃないか




「かすみちゃん」



「・・・はい」



「・・・ゲーム?」




「え?」





「このまんまじゃ
真っ暗になっちゃうけど・・

これ、何かのゲームかい?」





「くすっ(笑)

違うよ」




この時は

まだ
かすみの顔が
見えるくらいの
明るさだったんだ


でも

日が暮れるのは
あっという間で


だんだん




かすみの顔が


見えにくく
なっていったんだ




「あのね」




「うん」




「お願いが・・あるの」




「お願い?」




「斉藤さんに
お願いがあるんだけど

でも・・


ちょっと
言いにくいから・・




暗くなったら


言うから」






暗くなったら?


どうして・・
暗くならなきゃ

いけないんだろう






「・・う、うん・・

わかった


じゃあ
もう少し

待ってようか」








「・・・うん」






何?


かすみ




どうしたの?




何か・・


また悲しいことが
あったのかい?




僕は

待つと言ったのに


すごくすごく
気になって



なんだか
かすみが心配で
たまらなくなって


部屋が
暗くなってしまうまで


見えにくくなった
かすみの顔を
ずっと
見ていたんだよ





かすみは




一度も僕に

目を合わせてくれは
しなかったけど・・・。





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