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隠匿の令嬢
第6章 恥じらう乙女と卑猥な遊戯



 最初の日以降、アリエッタはナキラに湯あみの手伝いや髪を結うのやドレスを着せてもらうのを断っていた。それは後々効を奏した。


 レオに触れられるようになってから、日に日に増える口づけの痕。首筋や胸や下腹部、秘部近くの太股に至るまで、アリエッタの白皙の柔肌に赤い花が散っている。


 突然ナキラの世話を断って訝しまれることなく、肢体に散った淫らな痕を隠せている。


 浴室で一糸纏わぬ姿となったアリエッタは、二日前につけられた痕がまだありありと残っているのに羞恥を覚え、今日もこれから増えるのだと思うとジクリと下腹部に鈍痛がした。




 丁寧に身体を清め終え、蜂蜜色の髪を梳いてドレスを纏った。


 アリエッタに用意されたドレスはどれもデコルテが大胆に開き、張りがある胸の上部が見えてしまっている。


 令嬢たちの間で流行っているデザインではあるけれど、極力肌の露出を避けてきたアリエッタはどうにも落ち着かない。


 髪もきつく結い上げてきたが、赤い痕を隠すためにはそれも出来ない。腰まである長く波打つ蜂蜜色の髪は僅かな動きにも揺れ、ふわふわと愉しげに、それでいて優雅に靡く。


 アリエッタは全ての身だしなみを整え、速まる胸の高鳴りを鎮める術のないまま、ナキラが用意したお茶を乗せたカートを押し、レオの執務室を訪ねた。







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