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隠匿の令嬢
第21章 その世界、色鮮やかに



「ダメだ、見せてくれ」


 レオはアリエッタの頤に指をかけると、上向かせた。


「この半年、毎日夢に見るくらい逢いたかった。ずっと探してたんだ。まさかこんな遠くまで来ているとは思わず手間取ったが、ようやく逢えたんだ。隠すな」


「私も逢いたかった……」


 赤い顔で応えると、食むような口づけをされる。


 アリエッタの柔らかな唇を味わうよう、上と下の唇をそれぞれ吸われ。


 レオとまた唇を重ねられている……と喜びを噛み締める間もなく、奥深くに侵入する肉厚の舌が何も考えなくさせる。


 性急に追い求めてくる舌にアリエッタもおずおずと応える。


 幾度も角度を変えてキスを交わすうち、忘れていた熱がアリエッタの元へとやって来て、ゾクゾクと背筋が戦慄いた。


 時おり洩れるアリエッタの甘い吐息と唾液が混ざり合う音だけが部屋に響き、どれくらい長くキスをしていただろうか──レオは名残り惜しそうに唇を放す。






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