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Re:again
第14章 【夢から醒めるとき】
*****

夏の終わりが近付こうとしていた。
お盆が過ぎると、暑さも幾分か和らぐ。
開け放した窓から時折舞い込む秋の気配。
それでも、真昼の日差しに目がくらみそうになる瞬間がある。
そんな時、爽介と重ねた想いは、強烈な夏の日差しのようだったと感じた。
眩しく、熱く、息のつく間もないような―

…そして、私は無惨にも焼き尽くされた。

*****

「―高速に水が出て、渋滞だよ。一部通行止め。大雨が降っただろ?
夜にはあっちに戻った。
連絡が入れられなくて悪かったな」

《夏の思い出作り》―
私の我が侭によって散々な結果に終わった旅行は、私と孝介を除いて予定通りに遂行されたらしい。
私たちが帰った日の夜に爽介は戻り、翌日皆でヴィラを発ったという。

「孝介が手配した車をキャンセルして、帰りは俺の車を真央に運転させたよ。
運転って性格が出るよな‥肥やしの運転もアレだが、真央の運転もどっこいどっこいだった。
すげー安全運転なんだよ。危ねーよりはマシだが、度が過ぎると考えモンだ。
結局俺が代わるはめになった。
こっちはへろへろだっつうのに‥何でお前、そんな離れてんだよ。もっとこっちに来いよ」

何があったのか、爽介は何も聞かされていないらしい。
“体調が悪かったため、先に帰した”と、真央は説明したようだ。

弾丸運転の後、その足で爽介はまっすぐ私の部屋を訪れた。
それまで私は爽介を部屋に上げることを避けていた。
“葵の許可なく爽介たちを部屋に入れない”という約束が、頭のどこかに刷り込まれていたのだ。
連絡もなく急に訪れた爽介に狼狽し、爽介を連れ出そうとした。
察しの良い爽介は、普段ならば食い下がる。
基本的に私が嫌がることはしないのだ。
しかし、その日は違った。

困惑する私をよそに部屋に侵入し、私の気持ちを無視して、抱いた。
―愛情は感じられなかった。
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