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浮気断定社
第10章 依頼人 高橋 美樹
瑠璃のアパートに着くと瑠璃は手早く小さな鞄に荷物をまとめた。

まるでちょっとした旅行にいくような気軽さだ。

「せっかくの週末だ
 温泉でも行くか?」

「本当?!」

香川は誰が見ているか聞いているかわからないので
瑠璃が荷物を持って出ても怪しまれないよう
そんな会話をした。

瑠璃が部屋の鍵を閉め
香川の後ろを

「温泉♪ 温泉♪」

と子供のようにはしゃぎなからついてくる。

車に乗り込み
本当はすぐにでもシェルターに連れていきたかったが
瑠璃の笑顔の影を見て

「本当に箱根にでも行くか?」

と瑠璃を誘った。

「本当?」

「ん。
 なんか瑠璃、疲れてるみたいだからな」

瑠璃は香川から視線をそらした。
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