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第10章 依頼人　高橋　美樹

「あのね...

　昨日奥さんがアパートに来たの。

　彼とメールをしていたパソコンも携帯も持っていかれちゃった」

瑠璃はネックレスを見つめながら言った。

「ほんとはあのアパートに一人でいるの怖かったんだ」

そして洋輔を見つめた。

「ありがとう　

　洋ちゃん」

「ばぁか。
　そんなかわいい顔して見つめたら襲うぞ」

洋輔は瑠璃に向かって笑い飛ばした。

「洋ちゃんは

　私のスーパーマンだね」

洋輔は起き上がり瑠璃を見つめた。

「瑠璃、いくらスーパーマンでもな

　出来ることと出来ないことがある。

　お前を守ってやるがそれには条件がある」

「条件？」

瑠璃は首をかしげる。

「そうだ。


　高橋と別れろ」

瑠璃の顔が強張った。


「それが条件だ」

そう言うと洋輔はまたゴロリと横になった。