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目が覚めたら。
第1章 貴方は誰ですか。
 そんな時、あたしの椅子が押しやられ、ハル兄との間にナツの横顔が遮った。


「……随分、仲よさげだよね」


 麗しの王子様は猫のように体を丸ませて、面白くなさそうに頬を膨らませながら、じとりとした目をあたしに向けた。


「ナツ。これから俺は担当医としてシズに病状を説明するんだよ。お前ソコ邪魔だ、シズの横に行け」

「丸い回転椅子から見れば、ここだって横だ」


 すると帝王様は駄々っ子王子様の両頬を片手で押すと、空気の抜けた王子様はすぐにタコちゅうの顔になって、あたしは爆笑した。


 ナツはなぜか、あたしと手を繋ぐという条件で横にくることになった。ハル兄は、ナツが去ったその領域を確保するように長い足を組み、体を捻るようにして、眉間に皺を寄せながら、カルテを捲っている。

 そしておもむろに取り出したタバコ。

 いいんですかぁ? ナツの前でこの診察室で、タバコ吸っても。

 綺麗好きなナツを見遣れば、彼は手を繋いだことが幸せそうで、まるで少女のように頬を赤らめている。兄が吐き出す公害には気にも留めていないようだ。

 そういえばナツは昔からよく手を握りたがったななどと、微笑ましくナツを見ながら、一方ではどう説明しようかと思い悩んでいるようなハル兄にドキドキする。

 白衣から覗く男らしい鎖骨や首筋を露わに、顔を顰めてタバコを吸う姿は男の艶を放つ。

 そして時折漆黒の髪を掻上げる仕草。


 この男、フェロモン出し過ぎだ。

 立て続けのそれは反則でしょう、反則っ!!


 そんな時、繋がれた手に爪をたてられた。


「しーちゃんの浮気者」


 ココア色の瞳があたしを詰る。その間に幼稚園児の手の握りは、次第に形態を変えて、指を絡ませあうようなものになる。


「僕という恋人がいるくせに」


 妄想王子、復活。


 無論動いているのはナツの指ばかり。そしてその指が、あたしの手の甲をまさぐるようにいやらしく動き始めると……。


 ドンっ!!!


 突然――。


 ハル様の長いおみ足が、机の上に叩きつけられた。

 机のオブジェが一斉にハイジャンプ。



「……ひとの聖域で、イチャついてるんじゃねぇぞ、コラ」


 堅気の医者ならざらぬ、ドスの利いた声で剣呑な威嚇をしたハル様のおかげで、ようやく医者が患者に状況説明ができる環境が整えられたようだ。

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