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目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2
 その視線の先は、窓の外。

 店の前に横付けした黒いボックスカー。

 どちらかといえば小型バスに近い。


「また来た、あの車……」

「え?」

「私がバイト始めた日に来たのよ、あの怪しい……」


 車から降りたってきたのは、わらわらとした……、


「白衣の人達」


 見るからに怪しい。

 絶対怪しい。


 白衣はコンビニに群がる性質などもっていないはずだ。



「……だけど今回、すごく数多いわ」


 なんで白衣の男女が10人以上もこのコンビニに歩いてくるの?


 トイレとか?

 ここに並ぶの?


 どくん。


 あたしの体の奥底で、警鐘のようななにかが危険を告げた。



 "逃げて"



 それがなぜかわからぬまま、あたしの脳裏に思い浮かぶのは……あたしの家に侵入しているという不審な人物たち。


 あたしには、それと同じような気がしたのだ。


 ――捕獲、される!?




 ドアが開いて集団が入ってくる。

 誰もの視線の先は、逃げる体勢となっていたあたしに向いていて、そして彼らは――。


「きゃあああああ」


 委員長の悲鳴の中、あたしに向かって走り出したんだ。

 間違いなく、あたしは標的にされている!!



 店内を走るあたし。



「委員長、ごめんっ!!」


 ジュースの棚からペットボトルを投付けるだけではなく、別方向から現れた新手の白衣達にも、振ったビールのプルタブを開けて、琥珀の噴射をお見舞いする。


 忌まわしき記憶だろうと、使えるものは使ってやる!!


 見るからに、惨憺たる有様に汚れるコンビニ内。

 響くは、委員長のさらに甲高くなった悲鳴。


「また来たわよっ!!」


 委員長の声にはっとすれば、店外にまた別のボックスカーが、出入り口を塞ぐバリケードのように2台横付けされた。


 やばい、これはやばいっ!!
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