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目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2
 

 店内に籠る!?

 籠るのなら、第一陣がのびるまで、ずっと相手をし続けないといけない。


 それとも強行突破で、店外に飛び出た方がいい!?

 成功率はかなり低そうだけれど。


 スライドして開いたドアからあとからあとから白衣が降りてくる。

 店内に雪崩れ込もうとしている。



 絶体絶命!?



「ぬををををををををを!!」


 委員長が棚卸し中だったらしい……台車に乗せた大きな段ボールを猛速度で押してきて、中の缶詰を、入り口から押し入ろうとしている白衣達に投付け始めた。


「ここは私が止めてて上げるから、トイレの窓から外にっ!!」


 果敢な委員長。


 トイレは……ああ、怒りまくっている汚れた白衣を着た方々の後だよ。


 どうするよ。

 もう棚に缶はないよ。


 横の雑誌を投付ける。

 卑猥な本が宙を飛ぶが、避けられる。


 じりじりと……距離を詰められていく。


「早く、早く逃げなさいって!! 缶詰だってもうなくなるんだからっ!!」


 そうは言っても、こっちだって――。



 その時だ。


 トイレのドアが開き……中から、着物姿の男が現れたのは。

 もしかして先客、だったんだろうか。


 藍色の着物に草履。

 ひとつに束ねた長い艶やかな髪。

 中性的な美しい顔つきの男だ。


 実に優雅な物腰で、ぞっとするような凍えた微笑み湛えて彼は言った。



「折角……1週間ぶりに催したお通じを、また頑固な便秘に戻した報いは取って下さいね」


 そして笑顔のままで彼は、すっと引いた拳を、白衣達の鳩尾に次々と食らわせて行く。



「うるせぇんだよ、てめぇらはっ!!」



 怒鳴りながら。


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