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目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2
 


 やがて――。



「……"波瑠"」


 静かにこちらを向いたそのハル兄は、


「兄貴じゃねぇんだろ?」


 さっきの垣間見たあの場面が幻と思えるほど、儚さなど一切払拭させた……喜悦に満ちた顔で微笑んでいて。声音までも柔らかかった。


 その笑顔、反則だよ。



「お前が永遠に抱かれたい、特別なオトコの名は"波瑠"。


そして――。


俺が永遠に抱きたい特別なオンナは"静流"、お前ひとりだ」

 

 胸がきゅんとしちゃうじゃないか。



「ひとときの迷いにさせねぇよ。言ったことを後悔なんてさせねぇ」



 その表情ががらりと消え、見え始めたのは捕食者の眼差し。



「お前は俺に揺れている。だったら揺さぶられすぎて振り落とされねぇように、しっかり俺にしがみついていろよ……?」


 不遜で妖艶な、帝王の顔。


 そしてハル兄は、あたしの唇を奪った。



「今度こそ……お前を食らい尽くしてやる」


 貪るように。

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