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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
 

「はっ……はっ、しーちゃん……気持ちいいの?」

「ん、んん……っ、はっ、はぁっ、ナツ、ナツもっと……っ」


「しーちゃん……好き。好きだよ……? 早くしーちゃんと本当に繋がりたい。繋がって……早く繋がって、波瑠兄みたいにしーちゃんを虜にしたい」

「あっ、あああんっ、駄目、ああ……奥にそんなにドンドンしちゃ駄目なの、目覚めちゃう、淫魔が目覚めちゃうっ!!」


「僕ね……しーちゃんのナカで息絶えたい。幸せだろうね……きっと。しーちゃんを独占したままに死ねたのなら。だけど……僕は欲張りで。しーちゃんの未来も欲しいっ」

「あああ、イク……いっちゃう、ナツ、ナツ……っ!!」


「僕だけが欲しいって、可愛く嫉妬するしーちゃんと……、大好きな波瑠兄と、笑いあえる……そんな未来が欲しいんだ」



「ナツ、ナツ……ああ、イク……だけどっ」

「いいよ、しーちゃん。僕と繋がったままで……イッておいで?」

「だけど、あたしは――、ナツのが欲しいっ」

「しーちゃ……」

「どんなに気持ちよくても……ナツの熱さがないっ。前に言ったじゃない、オモチャは嫌だって! 本当のナツと繋がりたい。繋がって一緒にイキたいっ! だから今は、ナツの熱さがないものでひとりイクのは嫌だ。ナツ、あたし本当のナツじゃないと、繋がってイキたくない」


 駄々っ子のようにあたしは喚く。


「あたしが欲しいのは快感じゃなく、ナツの熱なのっ!!」


 体は熱く、目の前はチカチカ白い閃光が散り、果ては間近で子宮も秘部もじんじんと痺れて、その時を待っているというのに、どうしてもあたしの心がストップをかける。


「ああ……こんな状況でも、僕を求めてくれるの? しーちゃん、しーちゃん……」

「ナツ、やめて。ナツ……っ、繋がってイクのは……ナツがいいの。ナツがいいの――っ!!」

「……っ」


 そしてナツは動きを止めた。


 あたしの体は絶頂寸前で激しく消化不良。

 だけど心はこれでいいと満足していた。


 ナツはあたしのナカから、無機質な小さな異物を取り除いた。



「しーちゃん……今、僕がなにを思っているかわかる?」

「……?」



「また……一層好きになっちゃったよ、しーちゃんを」



 泣いているように、はにかんだようにナツは笑った。



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