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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘

「よかったよ……? モモちゃんの……くねくねする玩具。3回のモモちゃんの唇もおいしかった。ごちそうさま」
「!!!!!」
モモちゃんはもう言葉も出て来ないようで。だけどやはり強がるように、屈服だけはしたくないらしく、涙目で無駄な抵抗はし続けている。
反撃はないと確信したあたしは、さらに調子にのって続ける。
「小学生でもう、キスの醍醐味を知っちゃったとはねぇ? 感じちゃったんだ、納豆まみれになっても、あたしとのキスに?」
「!!!!!!!!!!」
「佐倉桃くんは……
お・ま・せ・さ・ん」
腕を引いて無理矢理体を傾かせると、耳もとで囁き、極めつけとばかりに、その耳にちゅっと軽くキスをした。
「く――っ!!」
モモちゃんは両手で耳を押さえると、こちらに背を向けてぜえぜえと息をしていた。
すごい……背中まで真っ赤だ。
WIN!!
高IQのボスを、倒したり!!
ふと思った。
あたしがモモちゃんのファーストキスの相手で、嫌いな納豆を食べさせられるという屈辱的な思いまでして。
さらにそのファーストキスが忘れられないピュアボーイぶりを披露していて、それでもどうして無駄な抵抗をし続けているのだろう。
ただのプライド?
納豆のおいしさがわかってしまった思い出。
嫌ではなかったファーストキスの思い出。
それでなおかつ恥ずかしく、屈辱的で、さらに隠したい思い出があるんじゃ……?
「もしかして……キスが気持ちよくて、幼いモモちゃん……勃ってイッちゃったとか? あははは、なんてことはないよね。だってまだ小学生に入ったばかりだし……って、ええええええ、マジですか!?」
振り向きざま、全身で狼狽と羞恥を表現していたモモちゃん。
強がったその顔は、泣きそうなものの否定ではない。
モモちゃんは、ぼそっぼそっと言った。
「俺……っ、初めてだったんだぞ……!? 初めてなのに…あんな舌を絡めたものを……」
納豆を無理矢理食べさせられたと被害者意識を強めながらも、ディープの自覚はあったらしい。

