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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
 


 クイズにて、無事モモちゃんもチェリーを卒業し、モモちゃん以外にも皆から"綺麗なお姉さん"を認められたあたしは上機嫌。

 こういう気分の時は直感力が優れているのか、はたまた必死の形相であたしの思考力を読み取ろうとしているモモちゃんの努力(=脳細胞さん)の活躍のおかげか、書く答えがモモちゃんと一緒になる不思議。


『Q.カレのモノをしゃぶった味の感想』

 モモと言えば桃缶でしょう。


『桃缶シロップの味!!』


 正解した時、目線でモモちゃんに聞いた。


 "本当に桃缶シロップみたいに甘いの?"

 "俺に聞くな、見るな、なにも考えるな!! どうしてあんたはそんなに卑猥なんだ!!"

 
 真っ赤な顔で怒られたようだ。

 ……ただモモちゃん(ただし下半身)を見てただけなのに。


 ナツは蜂蜜、ハル兄はメイプルシロップ、モモちゃんは桃缶シロップか。

 そのどれもの味が、12年前……味覚が人並みにあった時には大好物だった甘さだ。そして12年の眠りの間衰退して失ってしまった味覚でも、唯一濃い精液をお持ちの殿方のモノを"舐める"ことで再生される、卑猥な五感のひとつ――。


「蜂蜜、メイプル、桃缶シロップ……」


 あたしを蕩けさせる、あたし史上三大甘味の召喚呪文。


 外見はイケメン、内面は残念、だけどお持ちのモノは極上スィーツな三人組の味は、混ぜたらどこまで甘くなるんだろう?

 甘い物大好きな血がうずうずする。

 ああ、一口でいいから舐めてみたい……。


 ダン!!

 突然の音にびっくりすれば、モモちゃんがあたしを睨みながら、机を手で叩いていたようだ。


「すみません、虫がいたもので」


 にっこり。

 だけどあたしに向ける目線は語っている。


 "涎を拭け、卑猥女"



 あたしはただ甘さが欲しいだけ。

 卑猥さとは無関係な、17歳の乙女の普通の感覚です!!
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