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目が覚めたら。
第4章 鬼畜帝王は×××でした。
 

「ハル……兄……っ、ハル兄、助けてぇぇぇぇっ!!」


 泣きながらハル兄に手を伸ばした時、強姦魔が「うるさい」とばちんとあたしの頬を平手打ち。

 頭がくらりと揺れた瞬間、あたしのナカにねじ込まれる異物の感触。

 あまりのおぞましい恐怖に、こんな肝心な時に腰が砕けてしまったあたしは、抵抗出来ずに沈む男の腰を引き攣った声をあげて見ているだけしか出来なくて。



「なにやってんだ、カマジジイィィィっ!!

シズから離れやがれっ!!」


 咆哮のように叫んだ怒れるハル兄が床に散乱する残骸を踏みつけて飛ぶと、手にしていたコンビニ袋を男の頭に投げつけ、その顔に命中させた。


「ぐへっ」


 さらに第二弾攻撃として分厚い本が追撃し、その衝撃でまるで爆弾のように"それ"がコンビニ袋を破って飛び出た。


 ……500mlの缶ビール。

 飲む気で買ってきたのかよ。


 そして宙に勢いよく弧を描くのは――。

 男の鼻から噴き出た赤い血と、缶から噴き出た琥珀色のビール。



 あぁ……なんてカオス。


 ふと、床に落ちていた本の帯が目に入った。



 『スカトロ・緊縛・アナルセックス。

普通じゃ物足りない貴方への愛の教義本。

全ページフルカラー&図説つきだから、初めてでも安心』


 ………。


「嫌ぁぁぁぁぁぁ!!」


 更には、飛んだ空き缶が繋がった部分に向けて真っ逆さまに落ちてきて、ギンギンに冷えていたらしい缶と残りの液体が繋がるソコを集中責め。ダブルの冷たさにあたしはパニックになってぎゃあぎゃあ騒ぐ。



「シズ、今のうち引き抜けっ!!」


 ハル兄の声に突き動かされたかのように、反射的に抜かした腰を動かそうとした途端に……異変は起こった。


「抜けない……ハル兄、抜けないよぅっ!」


 意識していないのに、あたしが強姦魔のアレを離さない。力を抜こうと深呼吸しても、動かないのだ。抜かした腰をずりずり動かしたら、もれなく伸びた強姦魔もついてくる。

 いらないよ、これあたしいらないよっ!!


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