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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美

哀しげなモモちゃんを背中を見ながら、どうしようかとあれこれ考えている間に、集計結果が出たようだ。
あたし達は最終組。カチカチ野○の会の皆さんが、とっても満足そうな素敵な笑みを浮かべて、横一列に並ぶ。
「見たところ『NAENAE~』より『ACCHICCHI~』の上向き矢印が多いNE~。いやいや~、しちゃったばっかりの初々しいカップル。私、在りし日の自分の…甘酸っぱい初体験のことを思い出して、きゅぅんきゅぅんしてしまったYO~」
……あたしがあんなにモモちゃんを意識して真っ赤になっていた場面は。そしてモモちゃんが勝利の武器とみなしていたあたしの態度は。
甘酸っぱさなんて本当に縁があったのかと突っ込みたくなるメタボが、実体験を彷彿してきゅんきゅんとなる程度のものらしい。
メタボの初体験……。
めちゃくちゃげんなり思うのは、あたしだけ?
あ、ほら!! そこのお兄さん、矢印下向きに変えちゃったよ。
数えてないよね、地球に優しい野○の会の皆さん…?
「このカップルにも、私とゆ~ちゃんの10点ずつ加算!! それで結果は」
結果は――!?
あたしは両手の指を絡めてお祈りポーズ。
今の段階でTOPでなくてもいいんだ。
最後に加算される50点以上の開きさえなければ。
パネルに表示されているのは、支持者と加算分の合計の数字。
会場には、150人いるらしい。
うち、AV女優かめ子は、加算分20点入れて総合得点110点。
ジジババは、加算分20点入れて総合得点157点。
157点ですと――!?
同様に20点の加算がある状態で考えれば。
ジジババは137人の支持者があったということだ。
あたし達の矢印は、上向き『ACCHICCHI~』の数が多いとはいえ、下向き『NAENAE~』はジジババの13人分を上回っている。支持数では、勝てていない。
つまり、最後の片倉さんの50点があたし達に入るという前提で、ジジババに勝つためには、最低――。
………。

