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目が覚めたら。
第4章 鬼畜帝王は×××でした。
 
 
 なにが違うというのだろう。


 愛がなければあたしも他の女と同じじゃないか。

 あたしはハル兄からの愛はねだっていないというのに。

 ねだっているのは、唇と唇、舌と舌を貪り合う行為なのに。


 ハル兄は、なにを拘っているのだろう。



「唇以外ならしてやる。……特別にな」


 ちゅうと大きい音をたてて吸われたのは首の根元。

 痛みを感じたところに、激しく濡れた舌を動かされ……それはまるで唇同士のキスを彷彿させた。執拗で、艶めかしい……恐らくハル兄は、唇のキスでもそういうものをするのだろう。

 ……あたし以外の女と。


 喘ぎながらもちくりとした胸の痛みを感じた時、ぱちんと音がして、突如胸の締め付けがなくなった。

 ぷるりと揺れる乳房を、ハル兄の大きな手が直に数度強く揉んだ。


「はぁぁぁんっ」


 胸をもぎ取るかと思うほど強いその力にが絶妙で、びりびりと鳥肌が立つような快感が肌に拡がり、あたしは壁に後頭部を擦りつけるようにして仰け反る。


「ここは……触られたか?」


 熱を帯びた切れ長の目がこちらに向けられている。

 鎖骨にあたるハル兄の息。


「触られたのなら……消毒してやる」


 触られていない。

 触られていないけれど……。


 ハル兄に触れられたい。


 だから――。


「してぇ、ハル兄……消毒、強く強くしてぇぇぇ」


 あたしはいつからこんなに淫らになったのだろう。

 泣きたくなるほどハル兄の強い愛撫が欲しくてたまらない。


 ハル兄の顔がふっと緩んだ。

 笑みを浮かべているようにも見えるその顔は、12年前によく見ていたもので。少しだけ……あどけない。


 変わらないハル兄を感じた時、胸がきゅううと鳴った。

 愛しさが募る。



 どくん、どくん……。


 秘部からなにかが溢れている。

 それは子宮の脈動に呼応するように、ハル兄を求めていた。
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