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目が覚めたら。
第4章 鬼畜帝王は×××でした。
 

「……シズ、イキたいか?」

「うん、うんうんっ。ハル兄……あぁんっ」


「……普段は気が強いくせに、俺には甘えたがりでやけに素直で……その上ここまでエロい女になっちまうとは……」
 

 ハル兄がなにか言いながら、あたしの髪を耳にかけて頭を撫でる。

 そして掠れた声で、耳もとに囁いた。


「これ以上、俺のストライクゾーンに入ってくるなよ、……静流」


 こんな時、呼び捨ては反則。

 名前を引き金に、あたしの快感は一気にせり上がる。


「お前を誰にもやりたくなくなっちまうじゃねぇか。……ナツにもよ」


 なにも聞こえない。

 無音の世界にあるのは、ちかちか光る白い閃光だけ。



「……たまんねぇな、お前のイキそうな顔。すげぇ腰にくる。俺の指がお前をそんなに悦ばせてるのか……」



 白い果てに向かって、上るのみ――。



「指がそんなにイイのか、お前」


「ああっ、ああああっ」


「指が……」


「ああああっ、イク、あぁん、だめ、イっちゃう――」


「指……ね」


「はっ、はっ……はぁっ、イ……く、イク……ああああっ」


「……クソっ、なんで俺が自分の指に嫉妬しなきゃなんねぇんだよ。あぁ、苛立つから指はやめて……取り出せないじゃねぇかっ。なんだよこの俺様の……童貞のような無様なサマはっ」



 果てに行き着く寸前――。


 突如、ハル兄の指の勢いが弱まり、あたしのせり上がりも急激に失速して弱くなる。


 指は抜かれていないが、浅いところを触れられているだけ。


「やぁぁぁんっ、ハル兄っ」


 あたしは不服を申し立て、ポカポカとハル兄の背中を叩いて抗議する。

 ハル兄は逆にあたしを詰るような目を向けると、持ち上げたままの太腿の付け根から、手で支えている膝裏まで、べろりとざらついた舌で舐め上げてくる。

 ぞくぞくとした快感に肌を粟立たせたあたしをあやすかのように、膝にちゅっちゅっと啄む様なキスをして、大きなため息をついたハル兄は言った。


「……シズ。お前に特別に選択権をやる。ふたつにひとつの単純なものだ」


 ……心底嫌そうな声で。


「ひとつ。お前をよがらせている俺様の指を抜く。
 
ふたつ。10秒以内で俺様のベルトを外してズボンをお前が下ろす。

……早く選ばねぇと、指抜くぞ」


「はああ!?」


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