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目が覚めたら。
第11章 鬼畜帝王が甘えました
 

「待てねぇ。お前のは十分にとろとろを超えて、どろどろだ。この先、淫魔を出すな」

「出すなって、え、ええええ!?」


 ハル兄のズボンとトランクスが下げられた。

 あたしがするより早い。この男、慣れてる。

 
 そして――。


「っ!!!!」


 ご対面の息子さんは、病気をしていたことを感じさせない回復ぶり。あの苦労を思えば、思わず涙ぐんでしまったが……回復というより、前以上に成長なさったのでは?

 
 天を向いて怒張する、獰猛な…立派すぎるそれ。

 ご挨拶終わったんだから、帰りたい。


「逃げるな」


 ハル兄の声が、甘やかで艶っぽい。

 その瞳はしっとりと濡れて、見ているだけで変な気持ちになる。

 喉の奥が熱く乾いていく。


「ED治療の一番は、勃ちあがったら即時に使って慣れさせること。お前アフターフォローをするんだろ?」


 強い語調とは裏腹に、ハル兄の表情は切実だった。


 肉厚な唇が、震えるようにして動く。


「お前を……感じさせろよ」


 欲情に掠れた声。

 やるせなさそうに細められた切れ長の目。

 ハル兄の黒い髪が揺れた。



「もう待たせるな」



 ああ――。



「お前が早く欲しいんだよ。……自分でも情けないほど、中坊みたいに焦ってがっついちまうまでに」



 帝王らしからぬ、懇願のように弱々しい語気で言われたら、なにも言えなくなっちゃうじゃないか。


「お前のナカに挿りてぇんだ。

ずっとずっと……待ってたんだ。

……静流」


 ああ、だから駄目だって。


「静流、お前も俺を求めろ」


 あたしの名前を呼ばないで。

 大体あたしは――。


「あたしの身体は……」


「淫魔のせいにしないで、お前が俺を求めろ! 淫魔関係なく、ただの女として、男の俺を求めろ。抱かれたいと思えよ!」
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