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可愛いヒモの育て方。
第5章 熱
次に私が目覚めた時、すでに外は真っ暗だった。まあ、寝たのが夕方なんだから当たり前だけど。
麻人の腕の拘束は解けていた。隣で変わらず眠っている。私は麻人の額に、手のひらを当てた。
「……嘘」
その手を自分の額に当てる。
「あれ?」
もう一度麻人の額へ。
何度か繰り返しても同じだった。麻人の体温は、私と同じくらいまで下がっている。
「ん……」
何度も触っていたからか、麻人が小さく身じろぎした。薄く目を開け、私を見る。
「あんた、体調どうよ?」
「あー……なんか楽かも」
そういえば、顔の赤みも引けていた。
「ちょっと熱計ってみなよ」
麻人に体温計を渡した。その間に私は散らばった服を着て、手を洗い、コップを用意してスポーツ飲料をつぐ。
麻人の体温計が鳴り、二人で確認して驚いた。三六・七度。
「はあ!? 平熱じゃん」
「……みたいっすねー」
そんなバカな。私は何度か体温計と麻人の顔を、交互に見比べた。さっきまで、九度超えていたのに。
「あんたの体おかしいだろ! 上がったり下がったり、変温動物か!」
「いや……、そんなこと言われても」