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可愛いヒモの育て方。
第5章 熱
そういうムードでもないのに、改まってこういうことを言うのも恥ずかしい。
私は麻人から視線をそらした。
「……友梨香さんて、やっぱ鈍いっすよね」
「は? 鈍い?」
今の会話の中で、鈍いと言われる部分が見つからず、頭にハテナマークが浮かぶ。
ふいに麻人に腕を掴まれ、ベッドに引きずりこまれた。
「わ……っ」
両手首を抑えられ、組み敷かれる。びっくりして、私は小さく悲鳴を上げた。
麻人の顔が目前に迫ってきて、またこのまま襲われるのかと思った。
「その顔」
「え?」
ふいに、麻人が笑う。
「押し倒した時の、ちょっと怯えた顔とか、興奮する」
私が抵抗する間もなく、麻人はすぐに私の手首を離し、私の上から離れた。
「友梨香さんて、上が好きでしょ?」
「うん」
「多分、自覚ないと思うけど……」
麻人はそこで、一拍間を空けた。
「何?」
「上になって、俺の体触ってる時、すごくエロい顔してるの、気付いてます?」
「……え?」
「欲情してる友梨香さん見てると、俺も興奮する」
耳元で囁かれ、顔が熱くなった。
無意識の自分の反応が、麻人を興奮させているなんて思いもしなかった。