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可愛いヒモの育て方。
第9章 夢
麻人は三十分ほどで、昼食を持って部屋に戻ってきた。チャーハンだ。冷蔵庫のありあわせで作ったという。
「ついでに、冷蔵庫の中整理しておきました。豚肉とレタスが賞味期限ヤバかったから、チャーハンに入れてみた」
「……ありがとう。最近女子力上がってんね」
「友梨香さんよりは、全然あると思います」
悔しいけど、否定できないのがつらい。チャーハンは普通に美味しかった。
それから準備を始める時間までは、まったり過ごした。麻人も結局帰らずに、私がアパートを出る時間まで、部屋でのんびりしていた。
そして、職場へ。温泉の土産のおせんべいを休憩室に置き、キッチンへと入った。
今日は木曜日というのもあって、暇だった。店長も出勤しているため、事務仕事はしなくていい。営業はバイトの子たちに任せて、普段は出来ない場所の掃除をしていると、突然、店の電話が鳴った。電話のすぐそばにいたのもあり、私が受話器を取って応対する。おかしなことに、電話越しの相手は無言だった。
「……もしもし? あの、どういった要件でしょうか?」
「…………」