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可愛いヒモの育て方。
第9章 夢
だけど、最近私のアパートに置いていった麻人の私物が、徐々に増えてるような気がする。それはちょっとやめてほしい。
「なんで家がやなんだろう」
「知らないよ。あいつなんにも言わないもん」
私は目を閉じた。
今日店で麻人に電話した時も、少し変だったような気がする。何かを隠しているような。本当は、店に来た電話の相手の女性はストーカー客でもなんでもなく、麻人の知り合いじゃなかったのか。だからこそ、次にまた電話が来たら教えてくれと言ったんじゃなかったのか。
だとしたら、思い当たる人物は、私の中で一人きりだった。
でも、これもただの推測にすぎない。
「別にいいんだよ。そんなんどーだって」
私はどこか自嘲気味につぶやいた。
「麻人が家に帰りたくないとしても、別の理由で私の家に来るんだとしても、正直どうでもいい。私には関係ないし。あっちが話してくるなら聞くけど、そうじゃないなら、今までみたいに普通に家に来ればいいよ。もう未成年じゃないんだし、わざわざ問いただして帰す必要もないし」
「本当に、それだけ? あの子が友梨香の家に来る理由」