この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
可愛いヒモの育て方。
第10章 目隠し
私の言葉に気を取られ、バツを付ける場所を間違えてしまったらしい。
私は苦笑して、修正テープを取り出して渡した。
「ありがとうございまーす」
くるりと振り向いたアングル。可愛いくて、いつもの癖でつい頭を撫でたくなってしまって、内心笑った。
「最近忙しいの?」
「うーん、なんか予定がごちゃごちゃしてて、バイト入れづらかったんで、しばらくお休みにしちゃいました」
「ふーん」
だったら別に、私の家に来れないわけでもなかったはず。毎週のように来てたから、急に来なくなってどうしたのかと思ってたけど、特に理由もないんだろうなぁと思った。
やっぱり麻人は、気まぐれな猫みたいだ。
「じゃ、お疲れ様です」
休みの希望を書き終わったらしく、麻人が帰ろうとする。
「うん、お疲れ。またね」
ふいに麻人は思いついたように振り向いた。
「今日、友梨香さん何時に終わるんすか?」
「……教えない」
ちょっとした反抗をしてみる。なんとなく。
「夜、行く」
「行っていい? じゃないのか」
私はまた苦笑した。
「九時の予定。十時なら確実にいると思うから、それくらいにおいで」
「はーい」
小声でのやり取り。麻人が最近来ないから、部屋の中が散らかり放題だ。私の性欲も溜まったまま。
麻人が来たら、いっぱいいじめてやろうと決めて、私も仕事に向かった。