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可愛いヒモの育て方。
第10章 目隠し
今日職場で私の家に来ると言った時のように、麻人は私に質問ではなく、確認するようなニュアンスで聞いてきた。
「最初からそのつもりだったくせに」
さっきだって、掃除機は朝かけるとか言っていた。今までのパターンを考えたって、やるだけやって麻人が帰ったことはない。
「お好きにどーぞ」
いつまでも、年下にからかわれて怒ってるのはバカらしく感じ、私は麻人に向き直った。
「その代わり、きっちり掃除機かけてげよ。溜まった皿も洗って、キッチンの掃除もしてから帰ってね。あと美味しい昼ご飯と夕飯も!」
「まったくもう! 人遣い荒いなぁ。俺をなんだと思ってんすか」
「ヒモ兼家政婦兼……弟?」
「だから金貰ってないっ」
むくれる麻人を、今度は私が笑った。
ふいに、麻人が私の家に来る理由を、尋ねてみたい衝動にかられた。麻人が私をどう思ってるかも。
「ねえ」
「なんすか?」
振り返った麻人に、言葉が詰まる。どんなふうに聞いたらいいのか、よくわからなくなった。
「……シャワー浴びてきなよ。私その後浴びるから」
「あ、はーい」