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可愛いヒモの育て方。
第11章 依存

 うとうとと居眠りしてしまったみたいで、携帯のバイブの音ではっと目を覚ました。意識が飛んでいたのは、数分くらいらしい。
 音と振動を辿ると、ベッドの端に置き去りにされた麻人の携帯からだとわかった。

「もう。こんなとこに置きっぱにしてたら踏むぞ」

 私の寝相の悪さを、あいつはわかっていないのか。
 バイブが止まり、留守電に切り替わる。それでも電話は切れず、画面は光ったままだった。麻人が風呂から出たら教えてやろうと思い、携帯をテーブルの上に置いた。
 とりあえずシーツや汚れた衣服や道具は片付けないと。手錠の他、もう一つ持ってきたものは以前使った塗るタイプの媚薬だった。結局今回は使わなかったので、手錠と一緒に引き出しに戻した。
 シーツを替えていると、またバイブが鳴った。テーブルを振り返ると、麻人の携帯が震えている。同じ相手だろうか。十二時近いこの時間に、何度も電話をかけてくるなんて珍しい。
 シーツを替え終え、私の分の着替えを用意し、キッチンに向かった。そろそろ麻人が出てくる頃。温かいコーヒーくらいは、入れてあげようと思って。
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