この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
可愛いヒモの育て方。
第11章 依存

『麻人、電話に出て……お願い、麻人っ』

 留守電が終わる。次を選択し、耳に当てた。

『ねえ、そこにいるんでしょ? なんで無視するの? ねえ、麻人! 麻人っ』

 名前を呼び続ける声。ふいにそれがピタリと止み、嗚咽が洩れだした。

『麻人ぉ……』

 悲壮な声。留守電が切れた。私は一度躊躇し、再び次の留守電を聞いた。
 最初は長い沈黙だった。息を吸う音が聞こえ、やがてそれは叫びになった。

『麻人ぉ! なんで……なんでそばにいてくれないの! なんで私を独りにするの! 麻人ぉぉ! 今すぐきて! ねえ、麻――』

 ぷっつりと途絶えた音声。事務的な機会音。私は震える手で次を押した。

『――の人みたいに私を置いてくの!? 独りにしないで! 麻人、麻人ぉぉ!』

 鼓膜をつんざく金切り声。留守電越しの相手は、もうほとんど正気じゃなかった。すすり泣きながら叫ぶのみ。麻人の名前をひたすら呼んでいた。
 私はこの尋常じゃない相手の様子に、背筋を冷たい何かが這うのを感じた。麻人の恋人や元カノが逆上しているならまだわかる。

/530ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ