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可愛いヒモの育て方。
第12章 来客
それなりの覚悟を決めて、彩乃に打ち明けたのに、彩乃はあっさりそう返してきた。
「知ってるって何よ」
「だから、聞いててわかるって。前からそう言ってたじゃない。あんたがなんでそれを認めなかったのか、その方が不思議だったわ」
「うーん、なんでだろーね」
「逆に、どうして急に好きってことを認めたの?」
「それは……」
彩乃は楽しそうに、質問責めしてくる。少し酔い始めているのかもしれない。なんだかいつもよりも饒舌だった。
その時だった。ふいに携帯が鳴った。電話だとわかり、慌ててディスプレイを確認すると、なんと店長。慌てて携帯を耳に当て、通話を押した。
「はい、お疲れ様です!」
「お疲れ。寝てた?」
「起きてましたよー。どうしたんですか?」
すでに十一時をまわっていた。こんな時間に電話とは、珍しい。緊急で何かあったのではないかと、つい身構えてしまう。店長からの電話は、いい知らせだったためしがない。
だけど予想に反して、今回は嬉しい知らせだった。
「おまえ、明日休みでいいや」
「はい……?」