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可愛いヒモの育て方。
第12章 来客

 唐突過ぎてなんの話かわからずに、つい電話越しに首を傾げてしまう。

「だから、明日仕事休みでいいって言ってんだよ。谷口(たにぐち)がバイト出れるっていうから、その子出すよ」

 谷口さんは今月ホールで入ったばかりの女の子だった。

「あ、なるほど」

 今月あまり休みを貰えなそうだったから、店長が私を休ませるために別の子を入れてくれたらしい。もちろん嬉しいけど、電話で唐突に言われてもわからん。

「ありがとうございます! ちょうど今友人と飲んでたんで、助かります」

 これで気兼ねなく朝まで飲める。

「おう。あんま飲みすぎんなよ。おやすみー」
「はい、おやすみなさい」

 通話はそこで切られた。突然の電話に、私と彩乃は呆然。

「え、明日休みになったの?」
「うん、みたい」
「あら、これでいっぱい飲めるじゃないの」

 なんとナイスなタイミング。珍しく粋なはからいをしてくれた店長に、私たちは感謝した。

「じゃあ、酒買いに行く? アルコールの弱いチューハイしか買ってないし」
「そうだね。コンビニまで……」

 言いかけて、ふと思いついた。
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