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可愛いヒモの育て方。
第13章 口移し
それから、麻人が作ってくれた野菜炒めを三人でつっついた。特別手のこんだ料理でも変わった料理でもないのに、なぜか進む。シャキシャキした歯ごたえとさっぱりとした味つけが絶妙だった。
「確実に友梨香より料理は上手いね」
「ありがとうございます」
いつの間にか二人は打ち解け、一緒になって私を馬鹿にしてくる。
彩乃の仕事の話でも、話は盛り上がった。ゲイ向けのアダルトグッズを売るお店で働いているという話だ。
二時間くらい経過した頃。なんだか酔いがまわり、私は横になった。
「友梨香、大丈夫?」
彩乃と比べたら、私の方が酒は強い。だけどおそらく連勤の疲れと、度数の強い酒ばかり飲んでいたのも重なり、彩乃より先にギブアップだった。
「……平気。でもちょっとヤバい。おやすみー」
呂律のまわらない口調でそう答え、目を閉じた。正直、何杯飲んだかわからなくなっていた。麻人が水を持ってきてくれたようだけど、起き上がって飲む気にもなれず、目を閉じた。
遠くで二人の話し声がする。それもほんのつかの間で、すぐに意識を手放した。