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可愛いヒモの育て方。
第13章 口移し
麻人の唇が離れる。それを無意識に追っていた。
でも離れたのは一瞬で、また唇がかぶさる。麻人の舌が、私の下唇を這っていく感触に、背中がぞくぞくした。
「ふ……」
麻人は私の唇を舐め、下唇を軽く啄んで離れた。もっとキスしたくて、また催促する。
「もっと、水」
「ダメ。あげない」
麻人は囁くように言った。喉が渇いているのは本当だけど、もう水はただの口実になっていた。麻人とキスしたい。衝動のまま、麻人の頭を引き寄せたけど、麻人はそっと手のひらで私の唇を塞いだ。
「欲しいのはホントに水?」
「んん……」
違う。私は麻人の手のひらに、舌を押しつけた。どこか女性的な綺麗な手。指の間を舌で舐める。自分の吐き出した息が思いのほか熱くて、なんだかクラクラした。だけどすぐに息苦しくなって、首を振った。
「んう」
「……彩乃さんそこで寝てんの、わかってます? そんな顔されたら、すぐにでも襲いたくなるじゃん」
「ううっ」
私は麻人の腕を掴み、口元から引き剥がした。何度か大きく息をつく。また麻人の頭を引き寄せると、今度は手で邪魔せずにキスしてくれた。