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可愛いヒモの育て方。
第13章 口移し

「苦しい?」
「え?」

 問われて、自分の呼吸が普段よりもだいぶ速いことに気がついた。
 私は首を振った。別に苦しいわけじゃない。飲みすぎると脈拍が速くなるのか、息が上がるのはいつものことだった。

「水」
「だから起きないと……」

 さらに催促すると、麻人は呆れたようにそう言いかけ、ふいに口を閉じた。

「しょうがないなぁ」

 そう言って、コップの水を口に含んだ。私の水。麻人が飲んだ。
 麻人を見上げていると、麻人はそのまま私の唇に、口づけてきた。

「ふぅ……」

 冷たい水が口内に流れこんできて、渇いていた喉に染み渡る。ごくりと飲み干すと、麻人の唇はすぐに離れた。

「……もっと」
「まったく」

 そう呟きながらも、麻人はもう一口含み、再び口移しで飲ませてきた。飲み込みきれなかった雫が、口の端から零れる。
 麻人の唇は少し冷たくて、濡れていた。もっと。もっと欲しい。
 私は唇を離そうとする麻人の頭を抱きしめ、麻人の唇に舌を這わせた。唇についた水滴を舐めとるように、舌でちろちろと舐めまわす。

「ん……」
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