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可愛いヒモの育て方。
第15章 喫茶店

 マサルは声のトーンを下げ、言った。

「人をどれだけ遊び人だと思ってんだよ。セフレなんて、作ったことねーよ。ましてや高校生にヤリモクで近寄るわけねーだろ。リスク高いのに」
「だって、部屋でそればっかだったじゃん。外でデートしたことなかったし。あと……俺のこと、知ろうとすんな。どうせ別れりゃ他人に戻るんだからって言ってたじゃん」
「言ったっけ? そんなこと」

 怪訝そうに、マサルが首をかしげる。

「まあ確かに、あんまり他人にあれこれ詮索されんのは、好きじゃないけどな。そんなひでーこと言ったっけ?」
「……言われた」

 ふいにマサルが口元に笑みをこぼす。

「深い意味は、なかったと思うけどな。おまえはすぐに真に受けるから、そういうところも面白かった」

 その発言に、ついムキになる。

「そりゃ、付き合ったばっかでいきなりそんなこと言われれば、誰だってショック受けるわ!」

 さすがにずっとその発言を引きずっていたことまでは言わなかったけども。

「悪かったよ。大声出すなっつの」

 ふいっとそっぽを向き、紅茶を一口すする。
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