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可愛いヒモの育て方。
第2章 ポスティング、参戦!

「人の車乗りづらっ」
「……やっぱり代わろうか?」
「いいっすよ。隣で道案内とかだるい」
「事故るなよ、頼むから!」
「うーん……大丈夫っしょ、多分」

 心配ではあるが、正直ずっと運転していたので疲れてはいた。代わってもらえるならありがたいから、麻人に任せることにした。
 好きな歌をかけながら、大通りを進む。道は渋滞していて、麻人が言った時間より、長くかかりそうだった。
 私はふと思いつき、いくつか質問した。

「麻人って、大学生だよね? どこ行ってるの? 専攻は? お姉ちゃんいるんだよね? 他に兄弟とかいんの?」
「え……、どしたんすか、急に」

 多分いきなり質問責めにしたからだろう。麻人は若干引いたような顔で、そう聞いてきた。

「いや、特に深い意味はないけど。あんたの素性、私全然知らないなぁって、昼間思って」
「素性?」
「素性……?」

 反復されて、さらにまた同じ言葉を返してしまう。

「知りたいんすか? 俺のこと」
「いや、うーん。セックスしてんのに、なんも知らないって変な感じがして」
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