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可愛いヒモの育て方。
第17章 媚薬漬け
ぎろりと麻人を睨み付け、そう言い放つ。
「別にどっちでもいいっすよ」
麻人も疲れたのか、呆れてるだけか、声のトーンがわずかに低い。
それでも良かった。後ろに感じる温かい気配。ぬくもり。それに覚える安心感。心地よい気分で目を閉じた。
連勤の疲れと、セックスの疲れが重なり、知らないうちに眠ってしまっていたらしい。気がつくと、部屋は暗かった。小さな電気一つだけ。
麻人の気配が消えていて、私は飛び起きた。
もう、帰ってしまったのだろうか。久しぶりに会えたのに。
次いつ会えるかわからない。それがどうしようもなく寂しくて、いてもたってもいられずに、部屋を飛び出した。真っ暗なキッチンの向こう、脱衣所から漏れる明かりに気付く。
「……なんだ、お風呂か」
シャワーを浴びているだけみたいだ。私はほっと胸を撫で下ろした。
喉が渇いたなぁ。
冷蔵庫から麦茶を出し、コップ一杯飲み干した時。ふいに浴室から洩れる、麻人の声に気付く。
不思議に思って脱衣所に入り、曇りガラスのドアを少しだけ開いて、浴室の中を覗いた。