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可愛いヒモの育て方。
第3章 秘密のご褒美
チケットを見つめ、曖昧な態度で頷いた。
「なんだよ、嬉しくねーのかよ」
「嬉しいですけど。なんで彼氏がいるかとか、結婚してるのかを聞いてきたんですか?」
「だってそれペアチケットじゃん。船越が彼氏いないなら、君島にやろうかなと」
「いや、あいつも彼女いないですよ」
「なら橋口に」
「高校生で泊まりは厳しいっしょ」
そもそもなんで恋人がいる人にそこまでこだわろうとしているのか謎だ。友達だっていいじゃない、別に。
むしろ店長が奥さんと行けばいいのに。
「まあ、ありがとうございます。友達と行きますよ」
「ああ、じゃ、お疲れ」
「お先に失礼します」
店長はまたパソコンに向かう。
私は軽く会釈して、店をあとにした。
部屋で早速パソコンを開き、そこの温泉を調べてみると、わりと豪華なところみたいで驚いた。一泊二日で朝食付きで一人二万弱。部屋の様子や温泉の画像を眺めていると、さらにテンションが上がった。
今は一月。年末年始は忙しくて、ろくに休めなかったし、いい骨休めになる。誰と行こう、なんて考えていると、ふいに麻人の顔が浮かんだ。