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可愛いヒモの育て方。
第20章 好転
翌日。朝起きると、まず瞼に違和感を感じた。瞼がめちゃくちゃ重い。いや、眠いって意味でなく。
鏡を見ると案の定目があり得ないくらいに腫れていた。あれだけわんわん子供みたいに泣いていたのだから、仕方ないけど。
一日経って興奮が冷めてみると、もう少し冷静になれなかったのか私、なんて思ってしまう。
その日は昼から仕事。心身共に疲れはててたみたいで、その日は帰ってきてすぐに、死んだように眠った。
さらに翌日。起きたのは、昼過ぎだった。仕事は夕方から。
目はまだ少しだけ腫れがおさまらず、麻人から連絡もなかった。どうなったのか心配ではあったけど、あとで報告しますと言っていたし、待つしかない。
麻人の代わりに、彩乃から着信があった。
「……最近よく電話してくんね」
「あら、つれない言いぐさね。で、ちゃんと告った?」
単刀直入もいいところ。通話を始めてものの十秒で、もう本題だ。
「……うん、まあ」
「で? 返事は?」
「あー…………。貰ってないや」
「は!? あ、考えさせて的な?」
「いや、違うけど」