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可愛いヒモの育て方。
第21章 好きな人
「てかさ……」
「はい?」
返事は? そう聞こうとして、どうしてもできずに言いよどむ。麻人は普段通りだし、やっぱりこの前の告白は、覚えてないのだろうか。告白と捉えられてないのかも。
もう一度言うべきか。言うとしたらどのタイミングで?
もう! 私は頭をかきむしりたくなった。
「これ、甘い! いらない!」
飲みかけのチューハイを麻人の目の前にどーんと置いて、言い放つ。
「ピーチ味なんだから、甘いに決まってるでしょ? 俺だって甘いのそんないらない」
「うるさい残飯処理!」
「誰が残飯処理ですか」
私は麻人が飲んでいた焼酎を奪い取った。芋焼酎のロック。
飲もうとしたら、麻人の手に阻まれた。
「ダメ。友梨香さんすぐ悪酔いするでしょ?」
「一杯なら平気」
「ダーメ」
コップを取り上げられてしまう。奪い返そうとしたら、麻人は目の前で、焼酎を一口口に含んだ。
コップを置いて空いた手で私の顎を軽くつまみ、口付けてくる。
「んんっ」
麻人の唇から液体が流れ込んできて、口移しで飲まされたのだとわかる。喉が焼けるように熱くなった。