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可愛いヒモの育て方。
第21章 好きな人
気持ちが通いあったセックスがこんなに気持ち良くて、満たされるものだなんて。ずーっと忘れていた。
ゴムの中に全てを吐き出し終えたあと。麻人は私の上に体を投げ出して、まどろむように目を閉じた。
「……重いってば」
「友梨香さんより軽いもん。……多分。あ、友梨香だった。呼び捨て慣れない」
「こっちも慣れない。……さん付けたまんまでいいよ。あと、私そんなに重くないっ」
「細いしね。でもほら、胸のぶん胸のぶん」
二回繰り返されると、なんだかもうバカにされてるような気しかしない。
生意気な麻人の髪をわしゃわしゃとかき混ぜてやった。麻人はボサボサになった髪を無造作に後ろにかきあげながら、頭だけ起こして私を見下ろす。
目が合った瞬間、二人でまた笑った。
「ねえ」
「ん?」
「就職先がどこになっても、たまにはここに戻ってきてね」
「追い出したくせに」
それは多分、他県で就職すると言ってしばらくここに来れないと言われた時の話。荷物まで持って出ていかせてしまった。
「ごめん」
「いいけど。二日酔いでイライラしてたんでしょ?」