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可愛いヒモの育て方。
第22章 エピローグ
そこの部分は濁しながら、彩乃に話した。
それはまあ、いいとして。麻人のお母さんの病状が良くなって、麻人に負担がなくなることを切に願う。
問題なのは、就活を地元ですることにしたのを、私に話してくれなかったこと。
「酷いんだよ! いついつちょっと面接行ってくるねーとか言って遠くの県ばっかり挙げるし、決まりそうなところが転勤激しくて、離島とか、海外の工場に飛ばされちゃうかもしれなくてー、とか、そんな話ばっかりされてたんだよ、この三ヶ月! ずっと! おかげで会えなくなる夢ばっか見たわ!」
「離島って。一体どんな工場よ……。年下にいいように弄ばれて、友梨香も堕ちたもんね」
本当に! 切実に! 彩乃の悩ましげな声が、胸にグサグサ突き刺さる。
「そういえば、今日も麻人くん来るんでしょ? いいの? 電話なんかしてて」
「うん、多分そろそろかな。平気。もういろいろと完璧だから」
そう答えながら部屋を見渡す。一昔前とは比べ物にならないくらい、綺麗に片付いたまさしく女性の部屋というにふさわしい空間に仕上がっている。