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可愛いヒモの育て方。
第22章 エピローグ
夕飯だって、麻人の好物を作ってあるし、今日は完璧。
そりゃあ、ね。付き合い始めて三ヶ月。あいつが部屋にくるたびに部屋中チェックされてたんだから、嫌でも掃除の習慣は身に付くっていう。毎回びくびくだったんだから。もう彼氏というより、姑(しゅうとめ)を迎えている気分だ。
ちなみに洗濯も、三日にいっぺんはまわすようになった。
「私多分今めちゃめちゃ女子力高い!」
「はいはい。あんたの場合、もとが低すぎたのよ。マイナスからのスタートで、今が平均くらい。高くはないと思う」
冷静かつ沈着な分析に、笑みがこぼれる。
その時だった。ピンポーン、と玄関のチャイムが鳴った。
「あ、来たっぽい」
「じゃ、そろそろ切るわ。二人のラブラブな時間を邪魔しちゃ悪いし。またね、おやすみ」
「お気遣いどーも。おやすみ」
通話を終えて、急いで玄関に向かう。
鍵を開けてドアを開けると、ダル着姿の麻人が立っていた。
「ただいま」
付き合い始めて変わったことの一つが、このセリフ。私の家に来る時、麻人はそう言って入ってくるようになった。これに内心、ちょっとキュンキュンしていたりするのは麻人には秘密だけど。