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可愛いヒモの育て方。
第22章 エピローグ
それは、ねえ。やっぱり最初のイメージって、なかなか払拭できないものだし。
「ある程度書けたらネットにアップしたいなって思ってるんだけど、一つ問題があって」
「問題?」
「タイトルが決まらないのよねー」
作品名は顔。さすがに決まらないと、掲載できない。
「タイトル、ねえ」
スクロールしていた手が止まる。
「どんな感じにしたいの?」
「うーん、やっぱりヒモ? こう、ポップで可愛い感じの」
「ポップで可愛いヒモってどんな!? 余計難しいじゃん」
そう言いつつも、一応一緒に考えてくれるらしい。
頬杖をつきながらディスプレイを眺めていた麻人の手が再び動き出し、画面を一番上へと持っていった。
「じゃあ、こんなのは?」
何か思い付いたのか、右手で文字を打ち込み始める。
どれどれ。だけどパソコンを覗きこもうとして、カレーの鍋をかけたままなのを思い出してはっとした。
「ヤバっ! カレー火にかけたままだった」
「は!? 何してんの、俺のご飯っ」
私より先に麻人が立ち上がり、一目散にキッチンへと走っていった。
もう、食い意地張ってんのはどっちだっつーの。