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可愛いヒモの育て方。
第22章 エピローグ

 麻人がにやっとしながら、私を見上げてくる。

「……別に、いいけど」
「え? いいの? あ、今回エロなしとか? 官能じゃないんだ」
「いや、一応官能だけどっ」
「え!? じゃあなんで!?」

 勢いよく振り向いて、聞いてくる麻人。確かにいつも隠してたから、読んでもいいよ、なんて許可を出すのは珍しいのかもしれないけど。
 そんなに驚かなくても。
 私は口をつぐんだまま、どう答えようか迷っていた。

「ん?」

 私の反応に、麻人も首をかしげる。
 私はパソコンの画面を指さして、言った。

「……これに出てくる男の子、あんたがモデルだから」
「え、俺?」
「うん、一応? 前に言ったじゃん、麻人をモデルに書くって」
「言ってたけど……マジか」

 麻人は再びディスプレイに向き直り、一度上まで戻った。さっきよりもゆっくりと、下にスクロールしている。
 その手が止まった。気になる単語を見つけたらしい。

「…………ヒモ?」
「そうそう」
「これどんな話なの?」
「まだ全然決めてない。とりあえずヒモ? ヒモ系男子? 麻人のイメージとりあえずそれ」
「なんで!? あんだけ七変化したのに!」
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