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可愛いヒモの育て方。
第3章 秘密のご褒美
それもあって、私はそこで会話を打ち切り、別の話題を振った。
「そういえば麻人、一緒に温泉行かない?」
「……温泉?」
麻人が怪訝そうな顔をする。
私はパソコンの前に行き、麻人を手招きした。
小説を書き始める前に見ていた温泉のページを、閉じずに取っておいたのだ。そのページを開いて、隣から画面を覗き込んでくる麻人に示す。
「ここ」
「二万もするんじゃん。そんな金ないっす」
「それがね、ここのペアチケット貰ったんさ。店長に。なんか、ポスティングしたじゃん? あれの成績が良かったらしくて、本社から贈られてきたらしい。ポスティング手伝った礼にってことで貰ったんだけど……」
「行く人がいないんですね。可哀想に」
「もう、店長と同じこと言うな! 行く人はいるけど、麻人にもポスティング手伝って貰ったし、せっかくならと思って誘ったの! 行かないなら別にいいし!」
ページを閉じようと、矢印を動かす。だけど麻人にマウスを奪われ、阻まれた。
一応興味は持ったのか、露天風呂や部屋の画像をクリックしながら眺めている。