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可愛いヒモの育て方。
第3章 秘密のご褒美
「……マジか」
テーブルを拭こうと台拭きを持って部屋に戻ると、麻人は私のベッドの上で寝息を立てていた。
ベッドに近づき、麻人の顔を覗き込む。
「髪濡れっぱだし」
おまけにタオルも首にかけたまま。たった今、シーツを替えたばかりなのに。
私はため息をついた。いっそタオルで首でも絞めてやろうかと思ったけれど、あどけない寝顔を見ていると、そんな気持ちもそがれてしまう。
私は温めたご飯に視線をやった。麻人を起こすのも気が引けるし、私はスナック菓子をボリボリ食べてしまったせいで食欲がない。
仕方なく、ラップだけしてテーブルの上に放置しておくことにした。
麻人に布団をかけてやり、部屋の電気を消し、麻人の隣に潜り込む。
まったく、なんて大きな野良猫なんだろう。
呆れながらも、不快な気持ちにはならなかった。朝起きたら説教だ。珍しく私が作った夜食を、食べなかったんだから。
そんなことを考えつつ、目を閉じる。心地よい睡魔に、身を委ねた。