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可愛いヒモの育て方。
第4章 ○○のオモチャ屋さん
「え?」
突然そう質問され、私は自分の性癖について考えた。
「感じてる顔とか、眺めてる時かなぁ。焦らしたりして切羽詰まってるのとか、見ててぞくぞくする。おねだりとかさせたい」
「……相変わらずね」
昔から、そこは変わってないように思う。
「じゃあ、逆に麻人くんの性癖は?」
「へ? 麻人の?」
間の抜けた顔で聞き返してしまう。
「わかんない。そういえば聞いたことないかも」
彩乃はありえない! と憤慨した。
「パートナーの嗜好を知らないなんて」
「パートナーってなんだ、パートナーって」
「興奮するシチュでも好きなプレイでも、よく観るAVでもなんでもいいのよ、わからない? 得意分野とか」
「うーん……」
私はコーラを口に含みつつ、真剣に考えた。そういう話をした記憶がない。
実際、いつも誘うのは私の方からだし、ちょっと変わった体位やこの間みたいな手錠も、私から提案してきた。それ以外は、正常位のごくごく一般的なエッチしかしたことがない。エッチの時、彼から何か要求してくることもない。本当に、エッチに関して、麻人は淡白だった。