この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
可愛いヒモの育て方。
第5章 熱
関心する私に、麻人がチケットを返してくる。
「これ、当日忘れないでくださいね。ないと宿泊代が自腹になっちゃいますから」
「えー、自身ない。麻人が持っててよ」
「……しっかりしてくださいよ、二四歳」
そう言いながらも、チケットは結局麻人が持っててくれることになった。
私はまた小説を覗かれないうちにとパソコンを切り、夕飯の準備に取りかかった。準備と言っても、夕飯は麻人が作ってくれたから、テーブルを拭いて、盛り付けて並べるだけ。
煮物と鯖の味噌煮と、ほうれん草のおひたし。味噌汁とご飯。今日は和だ。
「なんか最近家庭料理のバリエーション増えてきてない?」
「おかげさまで」
「私なんもしてないし」
「……なんもしないから、俺がしてるんでしょうよ」
いやいや、ご飯作ってとか部屋片付けてとか、最近言ってないし。心の内でそう突っ込みを入れたけど、麻人に夕飯作りや掃除をやめられても困るので、やめておいた。
「ありがとー!」
「誠意がこもってません」
「あ、ありがとうございます」
「ほら、頭も下げて」
「どうもありがとうございますうう!」